TPP可決がニュースで大きく取り上げられました。
しかし、TPPとは何か・どういった影響があるのかなど、少し難しい部分や捉えづらい部分があります。
そこで今回は、TPPによる農業への影響をやさしく解説します。特に農業への影響は普段「食べているもの」に関わる重要な問題のため、一緒に見ていきましょう。
1 TPPとは?
TPPとは、日本・米国を中心とした環太平洋地域による経済連携協定(EPA)の意味である。正式名称はTrans-Pacific Partnership(略してTPP)という。別名、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement。日本語で表記の場合は、環太平洋戦略的経済連携協定。
すごく大雑把に言うと、「関税をなくそう」という意味です。(細かく言うと貿易ルールが多いため、ここでは割愛します)。貿易を潤滑にするためにパートナーシップを組むという意味合いで名前が付いています。
2 TPPはどういった影響があるか
TPPは、農業に対して大きな影響を与えます。なぜなら、「海外に国内農産物のシェアが奪われる」からです。
日本は「関税」を上乗せすることで安い輸入食材が入ってくることを防いでいました。(貿易ルール上、禁止は出来ないため「関税」でガードをしていました。)
アイスを例にすると、30%(実際は29.8%)の関税が現在アイスに上乗せされています。そのため、海外のアイスが高ければ、当然安い国内のアイスを選ぶと思います。
ところが、関税がなくなることにより、海外の安いものが「安いまま」日本に入ります。その結果、安い海外品のシェアが増えるため、日本のシェアが減ってしまいます。
農業を例にすると、商品によっては日本と同じ農産物が10分の1で手に入ります。そのため、国内シェアが次々に奪われてしまい、「このままだと日本の農業が衰退するのでは?」と危惧されているのが現状です。
3 TPPにより日本の農業が衰退すると・・・
☆シェアを奪われる
☆農家の仕事が無くなる
☆国内農産物の生産量がさらに減る
☆さらに海外品のシェアが増える
TPPにより国内農業が衰退すると、食料自給率低下のデススパイラルになります。
ただえさえ日本の食料自給率は40%にもかかわらず、これ以上減ると日本は「貿易を止められたら食べ物が無くなる」、鎖国されたら滅ぶ国になってしまう恐れがあるため、TPPは農業にとって大きな問題になっています。
4 では、TPPに対してどうすればよいか
ここが一番賛否両論がある部分です。
さらに言ってしまえば、「どうすればよいか分からない」ことが現状です。
とはいえ、散々説明して危険を煽った挙句に「どうすればいいか分かりません」と言っても歯切れが悪いため、私なりの意見を添えたいと思います。
4-1 「お金」以外の部分で勝負する
私の意見としては、TPPは、良くも悪くも農業が「売る」ことを考える良いきっかけになるのでは?と思います。
TPPによって「農家は作っているだけでは駄目だ」と危機感を感じ、あの手この手で盛り上げようとすることが、さらなる農業の発展に繋がると思います。
実際、道の駅で野菜を販売したり、通販で野菜セットが買えたり、お土産としてブランド化してる名産品など、さまざまな「売る」アイデアが増えています。
そのため、海外に「お金で勝てない」のであれば、ブランド・販売場所・プロモーション・アイデアといった「別の部分から勝負」することがTPPによる海外農産物に対抗するひとつの方法であると思います。
TPPの農業に対する影響 まとめ
TPPが可決する
↓
関税が無くなる
↓
安い海外農産物が入ってくる
↓
日本農業がピンチ!
細かく言うと「聖域」の問題・品目による違い・他業種の影響など、多くの問題がありますが、大雑把にまとめると上記がTPPによる農業の影響です。
農業は、普段口にしている食べ物とかなり密接であり、実はとても身近な話題です。TPPを知らずに安い海外の食べ物ばかり選んでいると、いつの日か「日本から食べ物が無くなる」事態が起きる可能性があります。
そのなかで自分たちに出来ることは、「知る」ことと「選ぶ」ことだと思います。TPPについて詳しく調べる・国産の農産物を選んでみる・ネット通販で野菜を頼む・旅行でご当地のお土産を買うといった、身近なことからTPPへの対策をしていきましょう。